手妻

和服での身体の所作が好きだ。
優雅で、緩急が効いている。
一般に和服は機能的でないと言われるようにも思うが、必ずしもそんなことはないだろう。
要は洋服に身体が慣れてしまった僕たちが、和服を捌けない、そういうことだと思う。


そんな和服的所作から繰り広げられる手妻。
何度見せてもらっても嬉しい。
魅力的な身のこなし、声。
そして不思議。
千切った和紙が扇子の上で卵に変わる。
紙縒りで縛った手が刀を通る。
タネは?と聞くのは野暮だ。
ただただ驚けばいい。
(と言ってもどうしても考えてしまうのだけれども)