日想

自転車での帰り道。
羽虫が顔にまとわりつく。
陽が沈んだ後の残光の中。
黄昏時。
民家の間を抜ける時には、夕飯のにおいも漂ってくる。


まるでフィクションだ。
自分は、当事者ではない。。。
しかし、多くの類似点を確認しあえた友人に起こっている、
一つのリアルがある。


具体的なことは何一つ聞いていない。
聞くことなんてできない。
ましてや、こんな誰でもがアクセスできるところには書けない。


だけど、断片的な情報から自分の中で組み立てられている物語はあまりに残酷だ。


身内を失う、その喪失感は、多分、当事者にしかわからないよね。
類似、相似はしていても、合同なんてことは多分、ない。


だから僕は、「気持ちがわかる」なんてこと
軽々しく言いたくはない。
しかし、僕が断片的な情報を聞き、処理する時間の間に感じたものは、困惑、そして痛みに似たもの。


ロジックではたどり着けない、人間の脳が持つシナプスの間を飛び交う刺激がもたらすこの不思議な感情というものの中で、僕たちは、、生きている。


多分、
「live」よりも、「be」に近いんじゃないか、って思うんだ。