BABEL

すごくよくできた映画。
荒涼とした砂漠から始まり、東京バビロンで締め。
その途中のあらゆるシーンに釘付け。
「言葉」の氾濫している新宿の看板シーンなども効果的にインサートされつつ、あらゆるレベルのあらゆるコミュニケーションのズレというか異文化コミュニケーションというか。
その意味では例のNOVAの異文化コミュニケーションCMと訴えるものは近いのかも?


一方で、もっと海外旅行行かなきゃな〜とも。
あの外国にいる時の緊張感をもっと経験すべきではないか、と。
一生海外旅行などとは縁のない生活を送る人がいる一方でその気になれば体験できる環境に幸か不幸か居るのだから。


ちょっと胃にもたれる濃さなので、合わない人には合わないのでしょうが、4000年前のバベルの塔が象徴する問題が現代においてどう発現しているのか、考えるヒントが山ほど上手にちりばめられたよい映画です。
国際文化機関とかが薦めそうと言えば薦めそうな。


追記
ラストシーンに流れる坂本龍一の「美貌の青空」。
これ、途中で転調?して雲が晴れる感じになるんですが、そこまでいかないままスタッフロールに。
まだ、空は晴れない、という風にも取れます。
こういう解釈をさまざまにさせてくれる映画が好きなんです。