グラン・トリノ

名作の呼び声高く、観てみれば、1000年に1本の名作であった、という人もいるようですが、僕にはそこまででは言えないかな。
と言いつつ、実際、名作ではあります。
世を憂う頑固じじいがその人生のまとめに何を為すのか、を淡々と日常の風景から描いた、遺作かよ、的な一本。
もちろん?映画なので、話の筋は本質じゃないとは言いませんがやっぱり構成要素の一つで、各シーンに描かれる今のアメリカの都市ではない所の様子こそが醍醐味なように感じました。
ポスト工業社会をどう生きるのか。
それは過去を無視することでなく過去を継承しつつ、かつそこに乗っかるのではなく自身で考えながら日々迷いながらそれでも進んで行くことなのだ、というメッセージ。
ライフル協会会長のラストカウボーイらしいマッチョな優しさにあふれた作品でした。