木曾駒〜巨人の肩乗り登山


1泊2日で木曾駒ケ岳(通称木曽駒)登山をしてきました。
木曾駒は中央アルプス木曾山脈にある約3000mの高峰。
麓からてくてく登ることもできると思いますし、そうした行為こそを「登山」と言う人もいるのだと思いますが、それには時間も体力も必要です。


この木曾駒にはロープウェーがあります。
日本一高所にあるという触れ込みの千畳敷駅までロープウェーで登り、そこから頂上アタックが可能なのです。
ロープウェーを通してくれた過去の方々ありがとうございます!
僕だけではこんな高く険しい所に行くことはできませんでした。


が、この日はシルバーウィークということもあり、このロープウェーがなんと3時間半待ちの大渋滞。
下のロープウェー駅(しらび平駅)前はご覧の有様でした。(ぼかしをいれていますが人が多い様子はお分かりのではないでしょうか)

富士山の頂上も登山の服装ではあるけれどもかなりの人ごみで「ここは銀座※だったっけ?」と思うような感じでしたが、山登りって需要あるんですね。。。
※今でも人が多い場所のことを○○銀座というのかは知りませんが、、、新宿とか原宿あたりに変化してたりしますかね?


実際楽しいし、年を重ねても楽しめそうな趣味なので、自分ものんびりやっていきたいなぁ、と思ったりしますが、この人数を目の当たりにすると圧倒されるのも事実。
ロープウェーは毎回、山手線よろしくすし詰めで登ったり降りたりしてるのですが3時間半の待ち時間には5分と待たずに次の電車が来る都会の暮らしになれた身にはつらいものが、、、と思いましたが、中高時代のさっきの汽車(芸備線)を逃してしまって次は約1時間後!みたいな感覚を思い出すことでちょっと優しくなれた気がします。


というわけで、巨人の肩に乗ってばびゅーんと頂上には昼には着いちゃうもんね〜、そしたら頂上付近であっちこっち歩いちゃうもんね〜という計画だったのですが、足止め。

しかし、こういう時に万事塞翁が馬と言うのか、しらび平付近にある「ひぐらしの滝」付近がかなり楽しかったのです。
ちょっとしたハイキングコースを滝の音がする方へ向かっていった先に滝を発見!的、水曜スペシャル探検隊的ムードが楽しめる上に、滝つぼに迫るために渓流の中の岩をどの順番でアプローチすれば到達できるかをパズル的に考える快感、一つ一つの岩や流木の安定性を確認しながら一歩一歩自分の身体の安全を確保しながら近づいていく快感もあり、まだ全然登っていない段階でもう心中では「This is 登山!」と興奮気味でした。
滝の水しぶきのマイナスイオン擬似科学)で思考もスッキリ!?
さらに滝つぼ付近はロープウェーの航路の真下で、ロープウェー通過の際にはかっこいい写真まで撮れました。
3時間半待ちじゃなかったら、この滝には来なかったかもしれないことを思うと「This was 怪我の功名!」と振り返って感じます。








さてそんなこんなでようやく千畳敷にたどりついたのは15時頃。

山小屋に到着することが望ましいとされている時間も15時頃とのことで「今出た!」という蕎麦屋の出前よろしく予定に比してマイナス時間からの行軍開始です。
写真ではわかりにくいかもですが、氷河が削り取ったカールに行軍ルート(赤い矢印)が見えている感覚は気分を昂揚させます。
「すべきことがわかっている方が人はやる気になりやすい」んですね。やはり。
かと言って、やる気になるようなことばかりやっていてもたどりつけるところは知れています。
その上、行軍ルートがこれだけ見えるのはスタート前だからに他ならずいざルート渦中に入ってしまえばルートを俯瞰して見ることができなくなってしまう、ということもあります。
ともあれ、天気がもっている内に寝床目指して行軍あるのみ。

頂上付近からは眼下に駒ヶ根の町並みを、遠くに富士山の頭を見ることもできました。

頂上、という感じの景色もたまりません。


途中、ここから一歩左に身体のバランスを崩したらさようなら、というエリアを経て、ようやく山小屋に到着。
呼び板があったりして趣きたっぷりです。

たっぷりエネルギーを消費した後の、ご飯おかわりし放題のカレーとビールの美味しいこと美味しいこと。
やたら開放的な二段組の寝床で、見知らぬ方々のいびきと寝息の合唱の中、夜の7時には多分就寝。
いったん目が覚めたら11時半(1.5時間×3)とかで驚きましたが、ご来光を見るために翌朝は4時半起床な上に、下山したら運転もあるので、ひたすら身体を休めることに勤しみました。
(「休める」と「勤しむ」という二律背反しそうな行為を同時に行う違和感)

↓眠る前に山小屋から見た世界。

蠢く雲を見てパーティメンバーは口々に「(ナウシカに出てくる)粘菌だ!粘菌だ!」と言い合っていました。
この写真だけデジ一で撮ってます。コンデジよりシルキーですね。