「自分探しが止まらない」を読んだ

自分探しが止まらない (SB新書)
今、起きているいろいろなことが整理されていて大変おもしろく読みました。


ここ数年の、一人ひとりはかけがいのない一人だから好きなことをやればいい
という一見正しそうなメッセージの危うさを、あまり意識したことがない人はぜひ読むといいと思います。


「世界にひとつだけの花」とか、自分も歌としては好きですが、過度に現状肯定しすぎなところもあるような。
いろんな花があってもちろんいいのだけど、赤かったり、背が高かったり、たくさん同時に咲いたり、蜜が甘かったり、繁殖力が高かったり、蝿を取れたり、食べると美味しかったり、病気に強かったり、いろいろな特徴がある中で、やっぱり向いている舞台と向かない舞台はあるのだと思います。
もちろん、人はなんにだってなれる、のだろうけど、そのなりたいものへの距離はさまざまで、どう自分をキャラ付けしていくか、は本来持っているものと、外界とをすり合わせていくプロセスの中で、都度つど、自分で決めていくことだと思うので。
自分の持っているリソースと実現コストとを計りながら、パフォーマンスを見込みつつ。。。


昨今のマンガのキャラクターは、努力をしなくなった、というのも慧眼で、
実は宇宙人で、眠っていた真の力が目覚めて敵をやっつける
というような話が多いですよね。
だから、
自分にも何か隠れた力があるに違いなくて、今はそれが眠っているだけ、とか
自分にはそんな隠れた力があるはずもないから、ここまででおしまい、とか
の単純な結論に落とし込みがちですが、もっといろいろあるはずなのを忘れないようにしたいと思うのです。