海辺の町で魚を喰うシリーズ

というわけで、同級生の大巨人と先輩二人と4人パーティで犬吠崎へ行ってみた。
初期的には海を見ながら風呂につかる、という目的もあったのだけど、天気が残念だったり渋滞がひどかったりで、自然、目的は人間のもっとも根源的な欲求である「食」に収斂された。


犬吠崎に到着して最初に目についた食堂は「犬若食堂」

目の前はもう海、という立地で、その小さな佇まいは、ここで美味しい魚を食べられる雰囲気があるようなないような不思議な感じだった。
「絶対あそこは美味い!」という先輩に対して大巨人は「あの店は地元の漁師にコロッケとか喰わせる店や!わしらが行くところと違う!」と主張。
なんとなく「たしかに」ムードも漂い、再び移動を始めた。


が、その後、行く店行く店、GWということもあってか、混雑している。
50人から並んでいる寿司やなども見かけ、さぞや美味しいのだろうか、と思いながらも空腹も手伝ってとても並ぶ気にはならない。
そもそも、大巨人曰く「この世に並んで喰うほど美味いもんなんかない!」とのこと。
まぁ、一理あるかも。


やがてたどりついたのが、灯台のふもとにある場所。
房総名物の「なめろう」や金目鯛の煮付けが食べられるらしい。
自分は、寿司セットを頼んでみた。


が、、、
「名物にうまい物なし」とはよく言ったもので、寿司っていうか、酢が上手に混ざっていないシャリを機械で丸めたものに刺身を乗せたものが並んでいるものが出てきた。
あら汁はわりと食べられたのだけど、あの寿司はない。


ふと、隣を見ると食べ終わった海鮮丼に「なめろう」が残されている。
「あれ?食べないんですか?」
「ちょっと自分には合わない感じ、、、」
とのことで、一口いただいてみたところ、、、
古くてくさみが増していた。
あっちゃぁ、、、


さんざんな目に遭ったよ。。。


美味しくないものを食べさせてもらった上に、実はものすごく待たされた。
待っている間に、何が美味しいのか、携帯でちょろちょろ検索していたところ、なんと!
最初にスルーした例の食堂はあんな佇まいで実は名店だと判明。


ほうほうのていで戻っていただいた、鰹、鯵、烏賊の美味しかったことと言ったら!
漁師町育ちの友人がいるが、彼がそんじょそこらの刺身では納得しないのがよくわかった。
あれを日常的に食べてたら、たいがいの海鮮はまずいわ。。。


よく考えたら自分の爺さんも漁師町出身で母親のおじさんとかは漁師だったりしてるので、自分にもそうした漁師の血、的なものはあるのかもしれないけど、今まで適当な物を食べてしまってた悲しさみたいなものを感じてしまったことでした。






夜は、翌朝最初の便で札幌に移動する大巨人を羽田に落とし、羽田の居酒屋(これがまた美味だった幸福)で軽く飲み食いして帰宅。
大巨人は羽田の駐車場で夜を明かすという暴挙というか英断というかを選択したのだが、ベンチに佇む大巨人を尻目に車に戻る時の寂しさと可笑しさと切なさと愉しさのいりまじった感情が忘れられない。