硫黄島からの手紙

ものすごくリアルに、よく作られていて、フィクションだということを忘れてしまう。
生まれる前に亡くなった祖父(名前に一字もらうほど)のことをずっと聞かせられて育った自分なので、リアリティ三倍増し?なのかもしれないけど。


未見だけど、プライベートライアンもそのリアリティが褒められていましたね。
実際、スピルバーグもこの映画にはかんでいるようで。
作る方としてはもちろん魂を絞って作っているのだろうけど、ヒューマンドラマを作る、というのはなんだか物、世界を作り出すことから逃げちゃった風味もただよっちゃって、かくあるものをかくあるように写し身として現出させるのは表現なのかなんなのか。
(僕がコンクリートな人にイライラする側の性質だからだと思いますが)


しかし、ラストサムライしかり、もっと言えば独眼竜正宗からこっち、ケンワタナベを使って、日本人に戦争をさせたい人たちがいるような感覚。
かっこいいんだけどね。かっこいいからこそ危ないんじゃないかと。
こういう映画を観て、直感的に「戦争よくない!」とか「大和魂!」とか思ってしまうのは、ベクトルが逆方向なような気もするけど、同じことで、
これがエンターテイメントとして成立してしまっていることとか
(だって、最初っから戦うおっさんの格好良さばかりを映画にしてきたクリントイーストウッドですよ。)


なんやかや言いましたが、ラストサムライ同様、正直、ものすごく好きな映画の一本です。


困った上司が赴任してきちゃってどうしよう
という今でも普通に会社である話だと思ってみるのもまた一興。
優先順位付けが違う人がたくさんいる中で、いかに目的を果たすのか。