秒速5センチメートル

圧倒的な情景を描くことで有名な新海さんの監督作品。
偏執的な細部の書き込みに圧倒される。


近づけば近づくほど遠く感じてしまうこと。
どうしようもなく自身の無力さを感じて早く成長したいと願うこと。

そして、時間は誰にも等しく経験を蓄積させ、あらゆる体験は相対化されていく。
風化するのではない。
忘れてしまうのではない。
それはそれとして確固としてあり続ける感情に違いなくて。
でも、もうそこにそのまま帰ることもない。


そんな気持ちを呼び起こしてくれる素晴らしい映画でした。
なにより素晴らしいのは「絵」なのは間違いないのですが。


主題歌は、名曲one more time,one more chance。
その一途さも含めて個人的には大好きなのですが、いつだったかカラオケで歌った時に「ストーカー・ラブ」だと指摘され、確かにそのようにも解釈可能なことに気が付き、ショックを受けたりも。
問題は、双方向なのか一方通行なのか、というところではもちろんあって、かの曲は、一方からの視点なのでそれはそうなってしまうのもやむをえないのかも。


http://www.cwfilms.jp/5cm/index.htm
公式サイトが期間限定のヤフー内サイトなのは興味深いですね。
今や、サイト運営会社は広告代理店そのものなのだと実感できます。


しかし、桜の散ったこの瞬間に見て、よかった。