タカイ×タカイ

タカイ×タカイ (講談社ノベルス)
Xシリーズの三作目。


Xシリーズに入ってから特に顕著だと思うけれど、流通のしやすさもあってか(もっともこの頃でミステリーもそんなには売れないのかもしれないけれども)一応ミステリーだとみんなが思うように売られているように思うが実際にはミステリー小説ではないのでしょう。


出題→とりあえずの回答提示→どんでん返し→真相の開示→カタルシス
というミステリーのフォーマットに乗っているようで乗っていないので。


謎は謎だと思うから謎として成立するのであって、謎だと思わなければ謎でもなんでもない、というよくある認識論の話に落ちています。
謎は特に謎じゃなかったね、ちゃんちゃん、という風情なので、解決されるべき謎が解決されるプロセスを楽しむ為に読書する人には向かないのでしょう。
ネット上のいろいろな感想を見ているとそういう人はなんだか怒っているようです。


文字量も少なくて自分なんかにはちょうどいいんですけどね。
出るべき人が登場して思わせぶりなセリフのやり取りをして帰っていくので、そういうのが好きな人が楽しむ作品なのだと思います。